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タトゥーの無断キャンセルを減らす予約金と規定の決め方、前日のリマインドまで
土曜の13時。チェアにはラップを巻き、転写シートも用意してあるのに、お客様が来ません。DMを見返すと、日程を決めたのは5週間前。その後は確認の連絡もせず、予約金も受け取っていません。来なくても、お客様が失うものは何もありませんでした。こうした抜けは、一度仕組みを作っておけばかなり減らせます。日程を決めたその場で予約金を受け取る。支払いの前にルールを見せる。前日に短い連絡を入れる。それぞれのやり方と、コピーして使える文面、それでも枠が空いたときの動き方を順に書きます。

お客様が来なくなる理由
無断キャンセルの理由は、たいてい地味なものです。よくあるのは単に忘れていたケース。日程を決めたのが何週間も前で、思い出すきっかけがありませんでした。DMで日にちを決めただけでお金を払っていないお客様は、本人の中でも予約がまだ仮のままです。急な事情もあります。初めてのタトゥーで怖くなった、出費が重なった、シフトが変わった。そんなとき、連絡して事情を話すより、黙って行かないほうが楽に感じてしまう人もいます。
理由ごとに効く手が違うので、ひとつの対策だけでは減りきりません。
- 忘れていた:日程が決まったら確認を送り、前日にリマインドを入れる。
- 本気で決めていなかった:日程を決めたその場で予約金を受け取り、支払いが済んでから枠を押さえる。
- 急な事情ができた:日程変更の頼み方をわかりやすくしておき、黙って消えるより連絡するほうが楽な状態にする。
- 来なくても失うものがない:支払いの前にルールを読んで同意してもらい、予約金に意味を持たせる。
予約金は、日程を決めたその場で受け取る
予約金を払ったかどうかは、お客様が本気かどうかのいちばんわかりやすい目安です。頼むのは日程を決めたのと同じやり取りの中で。1週間後に頼むのでは遅すぎます。入金があるまでは、枠は空いているものとして扱います。予約金のない日程は、鉛筆で書いた仮の予定のようなもの。目安にはなっても、そのためにほかのお客様を断るほどのものではありません。
金額は、失えば惜しいと思える程度に。大きな作品なら施術料金の何割か、小さなものなら固定額にすることが多く、どちらも最終的な料金に充当します。そう伝えておけば、罰金ではなく予約の一部として受け止めてもらえます。施術の大きさ別の算例と、返さない予約金の額の考え方はタトゥーの予約金の相場と決め方に書きました。何回かに分けて彫る作品なら、1回目の予約金を最終回まで預かって最後の料金に充当すると、途中の回もずっと予約金で押さえておけます。
支払いの前に、ルールを文章にして見せる
頭の中にしかないルールでは、キャンセルのたびに交渉が始まります。だいたいDMで、だいたい夜遅くに。ルールは一度決めて、お客様が支払う画面にそのまま載せておきます。次の5つを決めておけば、ほとんどの場面に答えが出ます。
- 連絡の期限:施術の何時間前までなら、予約金を失わずにキャンセルや日時変更ができるか。48時間前か72時間前にするアーティストが多く、1日がかりの施術ならもっと前に設定します。
- 期限を過ぎたキャンセル:予約金の一部を返すか、まったく返さないか。
- 無断キャンセル:返金なしにするのが一般的です。
- 日時変更:1件の予約を何回まで動かせるか。期限を過ぎてからの変更に、予約金の払い直しを求めるか。
- こちらの都合でキャンセルする場合:予約金は必ず全額返す。
ルールはどのお客様にも同じように当てはめ、例外は入院や身内の不幸といった本当の緊急事態に限ります。その場合も、返金するより予約金を残したまま日程を移すほうが、たいていはお互いにとって公平です。台風で電車の計画運休が決まった日の扱いも先に書いておくと、発表が出てから一人ずつ相談せずに済みます。予約金20,000円がキャンセルの時期ごとにどうなるかの例と、コピーして使える規定は予約金の受け取りページにあります。
入金を確かめたら、すぐに確認の連絡を送る
確認の連絡を送った時点で、DMのやり取りが予約に変わります。予約金が入ったらすぐに送りましょう。日付、時間、住所、予約金は料金に充当すること、ルールの要点を一、二文、日程を変えたいときの連絡方法。あとで「規定は知らなかった」と言われたときに示せるのも、この連絡です。
前日にリマインドを送る
前日なら、お客様もまだほかの予定を入れていないことが多く、本当に都合が悪くなっても日程を移す余裕が残ります。長時間の施術では、1週間前にも連絡して最終のデザインと位置を確かめておくアーティストもいます。前日の連絡は短く。日付、時間、住所、連絡先と、「食事を済ませてから来てください」「施術する部位を出しやすい服で」のような実用的な一言があれば足ります。
何週間も連絡が途絶えたあとなら、リマインドの役目は、予約があることをもう一度実感してもらうことです。注意書きやキャンセル規定は入れません。お客様は支払いのときにもう同意しています。用件を感じよく伝える文面のほうが、強い口調より返事をもらいやすくなります。

コピーして使えるリマインド文
前日に、メール、LINE、InstagramのDMなど、お客様がいつも返事をくれる方法で送ってください。[ ]で囲んだ部分を書き換えて使います。
[お名前]様 明日[日付]の[時間]、[スタジオ名]([住所])でお待ちしています。 当日は食事を済ませ、[施術部位]を出しやすい服装でお越しください。[身分証・参考画像・その他の持ち物]もお忘れなくお持ちください。 ご都合が悪くなった場合は、本日中に[電話番号またはInstagram]までご連絡ください。別の日程をご案内します。 [アーティスト名]
黙って消えるより、日程変更のほうが楽にできるように
逃げ道がないと感じたお客様は、黙って連絡を絶ちます。確認の連絡に日程変更の頼み方を書いておき、連絡が来たらすぐに返しましょう。日程を移した予約なら予約金は手元に残り、空いた枠を埋める時間も数日あります。音信不通になった予約では、その日一日がまるごと空きます。
ただし、上限は決めておきます。期限内の変更が1〜2回なら、十分に親切な対応です。それ以上の変更や、期限を過ぎてからの変更には、予約金を新しく払ってもらってかまいません。上限をルールに書いておけば、その場で考える必要はなくなります。
それでも来なかったとき
15分待ってから、メッセージを1通だけ送ります。落ち着いた調子で、事実だけを。予約が入っていたこと、連絡がなかったこと、予約金は規定どおり返金しないこと、また予約するならどうすればいいか。送ったらメモを残し、同じお客様から次に相談が来たときすぐ目に入るようにしておきます。
来なかったお客様に送る文面
開始時刻から15分ほど過ぎたところで、1回だけ送ります。[ ]で囲んだ部分を書き換えて使います。
[お名前]様 本日[時間]から[スタジオ名]でご予約をいただいていましたが、ご連絡がなくご来店も確認できなかったため、無断キャンセルとして記録いたしました。ご予約の際にご同意いただいた規定のとおり、予約金は返金いたしません。 改めてご予約をご希望の場合は、このメッセージにご返信ください。新しい予約リンクをお送りします。その際は、予約金をもう一度お支払いいただくことになります。 [アーティスト名]

同じお客様からまた予約の相談が来たら、予約金を多めにするか、料金の全額を先に払ってもらいます。1回なら、運が悪かっただけかもしれません。2回続けば、もう偶然とは言えません。3回目の予約を断ってもかまいません。
前もって受け取っていないキャンセル料は、あとからではまず回収できません。後日お願いしても、たいていは揉めて終わり、お金は入ってきません。予約金を施術日の前に受け取るいちばんの理由は、ここにあります。
空いた枠を埋める
もっと早い日を希望していたお客様の短いリストを作っておき、枠が空いたら真っ先に声をかけます。キャンセルで空いた枠も、無断キャンセルで空いた枠も同じです。新しい大きな作品より、デザインの確認が済んでいる小さな作品のほうが、空き時間に収まりやすくなります。
当日に空いた枠は、サイズと料金を決めたフラッシュとしてストーリーズで告知する手もあります。誰も来なくても、時間は無駄になりません。下絵を描く、その週の転写シートを用意する、相談に返信する。空いた午後にできることはいくらでもあります。
ほかのアーティストからよく聞かれる無断キャンセルのこと
- 無断キャンセルとみなすまでの待ち時間
- 15分がよく使われる目安です。その時点で連絡を送り、何分過ぎたら無断キャンセルとするかをルールに書いておけば、毎回迷わずに済みます。
- 無断キャンセルの予約金の返金
- 決めたルールのとおりにします。多くの店は返金なしです。本当の緊急事態なら、返金ではなく、予約金を残したまま日程を移す形を提案しましょう。
- 予約金なしで無断キャンセルされたときのキャンセル料
- お願いすることはできますが、払ってもらえることはまれです。授業料だと割り切り、同じお客様の次の予約では予約金を先に受け取ります。
- 小さなフラッシュや補修の予約金
- 少額の固定額でも効果はあります。ウォークインのフラッシュデーは、お客様がもう店にいるので、予約金を取らないアーティストが多い場面です。
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