公開日
タトゥー同意書の書き方と、18歳成年に合わせたテンプレート
予約当日の11時、受付のソファで渡されたタトゥーの同意書を、お客様は施術直前の数分で読みます。そこで初めて「ラテックスのアレルギーがある」と書かれても、グローブを替えるのか日を改めるのか、その場で決めるしかありません。同意書が役に立つかどうかは、中身と同じくらい、お客様がいつ読むかで決まります。

相談フォームは予約の前、同意書は施術の前
お客様に書いてもらう書類は、ひとつにまとめたくなります。ただ、使う時期も目的も違います。予約の前にモチーフや部位、サイズ、予算を聞き、引き受けるかどうかと料金を決めるためのものが相談フォームです。どの版で彫るかをお客様と決めるデザインの確認は、また別の手順で、下絵の送り方と確定した版の残し方に詳しく書いています。同意書はそのあと、施術の直前に健康状態を申告してもらい、リスクを伝えたうえで同意をもらう書類です。
問い合わせの段階で持病や服薬まで聞かれると、まだ相談しただけのお客様には重すぎます。反対に同意書にサイズや予算の欄があれば、もう決まった話をもう一度書かせることになります。分けておけば、どちらも短く済みます。
同意書に入れておく項目
同意書の項目は店が自分で選びます。施術の前に確かめておきたいことは、次の内容でひととおりそろいます。
年齢と本人確認
民法の成年年齢は2022年4月1日に20歳から18歳へ引き下げられ、18歳から一人で契約を結べるようになりました(法務省の説明)。それでも検索候補には「タトゥー 19歳 同意書」がいまも出てきます。19歳には親の同意が要る、という以前の感覚が残っているのでしょう。18歳と19歳のお客様は、親の同意なしで契約できます。
18歳未満は話が別です。たとえば東京都の「青少年の健全な育成に関する条例」は、18歳未満を「青少年」としています。タトゥーについての定めがあるかどうかは都道府県の条例ごとに確かめる必要があるので、店のある地域の条例を読んでおいてください。確認が取れるまでは18歳未満を受けないと決め、同意書にもそう書いておけば、受付で迷いません。生年月日は同意書に書いてもらい、当日に身分証と照らし合わせます。
健康状態の申告
服用中の薬、金属やラテックスへのアレルギー、妊娠や授乳、皮膚の病気、ケロイドになりやすい体質、持病。どれも施術を延ばすか、やり方を変えるかの判断に関わります。チェックボックスだけにすると「特になし」で済ませる人もいるので、自由に書ける欄をひとつ残しておきます。
リスクの説明
腫れや出血、感染、アレルギー反応が起こりうること。色や線の見え方が肌の状態や年月で変わり、消すのは簡単ではないこと。書面に残しておけば、仕上がりについて話がこじれたときに、施術の前に何を伝えていたかを示せます。
そのほかに入れておく項目
- 店が渡すアフターケアの説明に従うこと。説明書のひな形はタトゥーのアフターケア説明書に載せています。
- 施術した部位の写真をSNSやウェブサイトに載せてよいか。顔を写さない、といった条件もここで聞きます。
- 当日の体調。お酒を飲んだ状態や寝不足で来ないこと、体調が悪ければ前日までに連絡すること。
- 書いてもらった個人情報を何に使い、いつまで保管するか。
日本の決まりで確かめておくこと
施術そのものの法的な位置づけについては、2020年の最高裁の決定がひとつの区切りになりました。
コピーして使えるタトゥー同意書のテンプレート
施術同意書のテンプレート
法的な助言ではありません。[ ]で囲んだ部分を店の内容に書き換え、正式に使う前に専門家に確認してください。
施術同意書 [スタジオ名](以下「当店」)で施術を受けるにあたり、以下の内容を読み、同意します。 1. 年齢 私は18歳以上です。当日、生年月日のわかる身分証を提示します。 2. 健康状態 次に当てはまるものがあれば、施術の前に申告します。 ・服用中の薬 ・金属、ラテックス、薬品などへのアレルギー ・妊娠中または授乳中であること ・皮膚の病気、ケロイドになりやすい体質 ・心臓の病気、糖尿病、てんかんなどの持病 ・その他、医師から注意を受けていること 申告内容:[自由記入欄] 3. リスク タトゥーは針で皮膚に色を入れる施術で、腫れ、出血、感染、アレルギー反応が起こることがあります。色や線の見え方は、肌の状態や年月によって変わります。完全に消すのは難しいことを理解しています。 4. デザインと位置 施術するデザインは、[日付]に確定した第[ ]版です。位置とサイズは、施術の前に鏡で確認します。 5. アフターケア 当店から受け取るアフターケアの説明に従います。説明どおりにケアできなかった場合、色が抜けるなど仕上がりに影響することを理解しています。 6. 当日の体調 お酒を飲んだ状態や寝不足の状態では来店しません。体調が悪いときは、[24]時間前までに連絡します。 7. 写真の使用 施術した部位の写真を、当店のSNSやウェブサイトに載せることに [ ] 同意する(顔は写しません) [ ] 同意しない 8. 個人情報 この同意書に書いた内容は、施術とアフターケアのためだけに使い、[保管期間]保管します。 氏名: 生年月日: 施術日: 同意日:
送るのは施術の2日前、確認は当日
当日に初めて渡すと、冒頭のソファの場面に戻ってしまいます。2日前に届けば、お客様は家で落ち着いて読めますし、申告に気になる点があっても日程をずらす相談がまだ間に合います。紙で集めるか、リンクで集めるかは店の運用で決めてかまいません。どちらの場合も、当日は受付で申告の内容に変わりがないかを口頭で確かめます。前日に送るリマインドの文例は、無断キャンセル対策のページにあります。

本文の欄には最初からひな形が入っていて、参考用で法的な助言ではないという注意書きが付いています。地域のルールに合わせて書き換えてから使ってください。「署名用リンクをコピー」で、InstagramのDMやLINEから自分で送ることもできます。

お客様はスマートフォンで全文を読み、「上記の内容を読み、同意します。」にチェックを入れて「署名する」を押します。予約の画面に出るのは「署名待ち」か、署名した日時。同じ作品の2回目以降など、その予約では同意書がいらない場合は「署名を省略」を選べます。
当日、店で補うこと
OpenInk Studioの同意書は、チェックを入れて送信する形です。手書きのサイン、身分証の確認、保護者に署名してもらう流れはありません。そこは店で補います。
- 身分証で生年月日を確かめ、同意書の生年月日と合っているかを見る。18歳未満なら施術しない。
- 健康状態の申告をお客様と一緒に読み直す。服薬やアレルギーの欄に書き込みがあれば、その場で詳しく聞く。
- 手書きのサインを残したい店は、同意書を印刷して当日に署名してもらう。
- 申告の内容が変わっていたら、施術を始める前に同意書を書き直してもらう。
同意書についてよく聞かれること
- 19歳のお客様と親の同意
- 2022年4月1日から成年年齢は18歳です。18歳と19歳のお客様は、親の同意なしで契約できます。18歳未満をどう扱うかは、店のある都道府県の青少年条例を確認してください。
- 同意書を保管する期間
- 国の法令で定められた年数は、調べた範囲では見つかりませんでした。OpenInk Studioでは署名済みの記録を2年以上保存します。紙で集めた分は店で期間を決め、同意書の中にも書いておきます。
- 仕上がりの写真をSNSに載せるとき
- 同意書の中で「同意する」か「同意しない」を選んでもらい、選んだ内容に従います。あとから削除を頼まれてもすぐ応じられるよう、どの投稿がどのお客様のものかを控えておくと安心です。
ほかの記事
- タトゥーの無断キャンセルを減らす予約金と規定の決め方、前日のリマインドまで
お客様が来ない理由はいくつかに分かれ、それぞれに効く手があります。コピーして使えるリマインドと連絡の文面、空いた枠の埋め方も載せています。
- タトゥーデザインのパクリを防ぐ下絵の送り方と、確定した版の残し方
送った下絵がスクリーンショットで別の店に渡ることがあります。描く前に決めておくことと、送るときに透かしをどう入れるかを書いています。
- タトゥーの予約金の相場と決め方、振込やPayPayで受け取ったときの記録まで
予約金をいくらにするかは、他店の金額より自分の予約で失うものから決めます。振込やPayPayで受け取った分を予約に記録する手順もあわせて書きました。
- お客様に渡すタトゥーのアフターケア説明書と、施術後の連絡
施術の夜にお客様が検索する前に、自分の店のやり方を届けておく。コピーして使える説明書と、補修やレビューのお願いまでの連絡の時期を書いています。
- タトゥーのゲストワークと歩合の決め方、月末の精算まで
ゲストを1週間迎える前に、予約金が入る口座と月末に払う額を決めておきます。取り分の決め方と、2人分の精算の算例を載せています。